ラマダン月もあと10日間

2013-07-30

ラマダン月が始まった7月10日以来オマーンの人々はイスラム教徒の義務に従い、夜明け前から日没までの間飲み食いをせず、また喫煙、性行為も断って過ごしてきました。

ラマダン月も、あと10日間。この期間の奇数日(23,25,27,29日目)の夜に、アッラーが天使ジブリールを通じて預言者ムハンマドに啓示を下したといわれるLaylat al-Qadre (カドルの夜)がやってきます。

カドルの夜は一般的にはラマダン月の27日の夜とされていますが、ハディースに書かれているのはあくまでもこの10日間の奇数日の夜とだけ。
カドルの夜には天使と聖霊が豊かな祝福のために下るとされ、信仰心を持ってアッラーから報奨を望んでお祈りをしているとこれまでとこれからの罪が許されるといわれ、この夜の祈りは千の月にも勝る夜(一年中で最高の夜)と言われています。
その体験は特別なもので、いつもの礼拝とは違う感動を味わうことができるという人もいます。
この夜に恵まれるために、オマーンの人たちの熱心な祈りがあと10日間続くことでしょう。
中には、この時期毎晩モスクにお籠りをする人もいるようです。

註)1.Laylat al-Qadre (カドルの夜)は、力の意味、定命の夜、みいつ(御稜威)の夜などと訳されています。
    「御稜威(みいつ)」とは、広辞苑によると「天皇・神の威光」とあります。
    クルアーンが最初に啓示されたことで、全世界を照らすことになった御光の輝き    
    を与えたことに因んで、こう訳されたものと思われます。

2.ハディースとは預言者ムハンマド言行録。クルアーンが第一聖典であり、ハディースが第二聖典とされる。ただし、ハディースの一部はクルアーンよりも優先されると考えられるときがある。