講演会「イラン戦争の現在」が開催されました

9月3日、日本オマーンクラブの講演会「イラン戦争の現在」が市ヶ谷のJICA  地球ひろばで開かれました。講師はイランに通算12年半の駐在経験を持つ三菱商事の梨本博さんで、参加者は約60名。

ご講演は、①「背景にある中東の国家関係」、②「中東地政学シーソーゲーム の 経緯」、③「イラン戦争の現在」、④「ホルムズ海峡を巡るオマーンの立場」、  ⑤「今後の展望」という構成で、豊富な現地経験に裏打ちされた貴重なお話でした。

中東諸国間の関係については、アラブ諸国を自陣営に引き込むべくイスラエルとイランが影響力を競う綱引きを展開している複雑な状況(トルコ、パキスタンも含む)を分かり易く図解で説明されました。(画像はクリックで拡大します)

               

地政学的には米国との同盟関係を梃にイスラエルがイランに対し攻勢を掛けると、イランは抵抗勢力と連携して徹底抗戦。抵抗するイラン陣営に対して、イスラエルは巻き返しを図るべく再び反転攻勢。このような果てしなく続くシーソーゲームについて、2020年のアブラハム合意から現在に至る経緯についてのお話でした。そして、イラン現体制が力によるホルムズ海峡の強制開放を甘んじて受け入れるのは非現実的と思われることから、納得づくの合意形成が不可欠であり、米国がこれを理解した上で最終合意を目指し真摯に交渉しない限り、イランがいつでも通行阻害し得る状況は続くだろうとの見解が示されました。

また、オマーンは単なる仲介国・第三者ではなく「沿岸国」たる当事者であり、沿岸国の領海は自国が主権を有するとの立場で、沿岸国としての発言権を確保しつつ海峡開放を目指していることなどを紹介されました。

後半では、テヘラン北部の住宅街や雪景色、現地の人々の暮らし、公園でくつろぐ猫たち、美しい建築で知られる古都エスファハーン、ホルムズ海峡に浮かぶヘンガーム島の風景など、ご自身が撮影された数多くの写真が紹介され、歴史や文化についても興味深いエピソードが披露されました。

質疑応答の後、参加者からは「解説が分かり易く引き込まれた」、「美しい風景と温かな人々の姿に感銘を受けた」といった声が多く聞かれ、ニュースだけでは知ることのできないイランの魅力と奥深さに触れる貴重な機会となりました。

ご講演後の懇親会では、中東で駐在中に会われた方々が「久しぶり!」と挨拶される姿が見受けられました。

 

       

ホルムズ海峡に平穏な日常はいつ戻るのだろうか?

   

 

 

 

 

 

 

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