イベント情報

大阪関西万博2025 オマーンパビリオン

2025-09-26

 

4月に開幕した大阪関西万博。9月20日にはオマーン王室のビララブ殿下ご臨席の下、オマーン・ナショナルデーが開催されました。当クラブからは遠藤名誉会長、ジョーンズ会長他9名の会員が式典に出席しました。大使館スタッフも総出でした。舞台で演奏した王室騎兵音楽隊は煌びやかな民族衣装に身を包んだ女性が殆どで意表を突く演出でした。

  

万博は来たる10月13日で閉幕となります。この半年の間、オマーンのパビリオンに何度も通い続けた大阪在住のオマーンクラブ会員による万博でのオマーンの人気とその実情についてのレポートです。

いまこちらで巻き起こっている大阪関西万博への熱狂は、関西以外の地域の皆さまには、あまり情報が届いていないかもしれません。実際は、それはそれは大変な賑わいと熱狂が広がっています。入場チケットはすべて完売、当日券を求めて何時間も行列を作る人々や、徹夜して入場のために並ぶ人が出たほどです。

(上の写真はクリックすると拡大します)

9月半ばの集計では、オマーンのパビリオンには約100万人が訪れたそうです。オマーンパビリオンは「水と大地」をテーマに作られた真っ赤な建築で構成されており、夜になるとその壁一面に美しいプロジェクションマップが映し出されます。バラや乳香をテーマにしたフードの販売ブースや、さまざまなオリジナルグッズの販売もあり、その美しさやフード、グッズの人気によって多くの人々の心をつかみました。閉幕が近づいている最近では、入場規制がかかるほどの大盛況です。9月20日に行われた公式式典の日にはオマーンクラブの方々も多くの人で賑わう様子に、この人気と熱狂を実感されたことと思います。

オマーンパビリオンの敷地内には、クルアーン(イスラム教経典)に登場する植物が多く植えられています。

イチジク、ザクロ、オリーブ、そしてオマーンの国花であるバラ。パビリオン内部には小さな水路が流れ、シャボン玉が舞い、まるで小さな公園のような空間となっていました。「癒されるパビリオン」として多くの人に愛され、イチジクは大阪の特産品でもあるため、その木の成長を楽しみにする人も多く、植物を観察することをきっかけに人々の交流が深まる場にもなりました。

(クリックすると拡大します)

オマーンという国を万博によってはじめて知った、という人もかなり多くいたようです。(かく言う私もまた、万博をきっかけにオマーンという国が大好きになりました。)万博では、オマーンをはじめとする中東諸国のパビリオンがどこも大変な人気となりました。関西の人々の気質と中東諸国のパワフルなイメージには、どこか共通する部分があるのかもしれません。

この博覧会の開催が、オマーンという国の周知やイメージアップにかなり大きな効果をもたらしたことは、間違いないと感じています。

「優雅で穏やかな、中東の美しい国」。オマーンパビリオンは、来場者たちにそんな思い出とイメージを残してくれました。

サマーパーティ(真夏の夜の暑気払い)

2025-09-18

 

お盆は過ぎてもまだまだ暑さが続く8月21日の夜。

オマーン大使館隣にあるレストラン「ラ・メンサ・ジャスミン」にて、日本オマーンクラブ恒例の「サマーパーティー」が開催されました。

  司会の玉澤恵里さんの進行でサマーパーティはスタート。冒頭 ジョーンズ享子会長からご挨拶をいただきました。会員の中には年一回、サマーパーティーにのみ参加される方も多数おられるとのこと。このサマーパーティは旧交を温められる貴重な機会となっているようです。

ゲストの駐日オマーン大使ブサイディ大使のご紹介に続き、オマーン人留学生達も名前と留学先の学校と学部を一人一人紹介されました。男子よりも女子学生が多い印象。オマーン国は女子教育にも熱心な国のようです。

  

その後元在オマーン日本国大使 神長善次様が乾杯の音頭を取られ、日本とオマーンの共通点やその友好の歴史についてお話しされました。オマーン大使や元在オマーン日本大使の方々が参加されるパーティーというので、オフィシャルで 堅苦しいパーティかと思いきや、どこか手作り感のあるホームパーティーのような雰囲気もあり、和やか に進んでいきました。お会いした方とご挨拶させていただくと、学者の方、石油会社、コンサルティング会社、薬品会社など色々な分野の会社で活躍されている方がおられ、参加者はまさに多士済々。    社会人になってから出会う人というのは、同じ会社・業界など「ビジネス」がメインの繋がりか、同じ大学やスクールなど「学び」によって出会う事が多いですが、こういった「オマーン」という遠いアラブの国との関わりで、カジュアルに様々な業界の人々と出会えると言うのは、非常に興味深い繋がりだと感じました。「オマーン」を知りつつ、オマーンを通して改めて日本という国を知る・・・そんな貴重な場になっているようでした。

(上記写真はクリックすると拡大します)

また、オマーン人留学生で日本語がとても上手な方とお話しましたが、「名探偵コナン」が好きで13歳から日本語を勉強しているそうで、イントネーションから表情まで日本人と同じで違和感を感じず、この日一番のサプライズ。最近のアニメについて話しても、すぐに分かり、しっかりと感想をもっていました。海外の方にアニメ好きが多いと聞いていましたが、オマーンにもいらっしゃった事に驚き、オマーンでも日本のアニメを見て、楽しまれている事に、オマーンとの距離がグッと縮まった気がしました。

お 料理は(人生初体験)の「ハラール」仕様のお料理。「豚肉料理はない」と聞いていたけれど、確かに豚料理はなく、野菜の他は鶏肉や魚料理などが多くありました。オマーンは、アラビア半島の南端にあり、海に面しているため、オマーンの方々も魚料理には馴染があるのかと思いました。

お楽しみアトラクションは、オマーンクラブ会員の北山明様と娘の朝美さん、孫の礼生さんによるファミリー三世代ミニ・コンサート。

                        

最初はフルート奏者の娘さんとお孫さんのピアノによる合奏。お孫さんは中学2年生との事ですが、大人顔負けの音色でお母様のフルートをよく引き立たせていました。その後、北山明様による、こだわりのフォークソングコンサート。北山様の声は、高音もよく伸びてしっかりコントロールできていて、プロ顔負けでした。またお嬢様のフルートがしっかりと演奏を支えておられ、流石の一言。

                                         

最後は北山様親子の演奏で、全員で「浜辺の歌」「見上げてごらん夜の空の星を」を合唱。歌声の中にとても綺麗なソプラノが聞こえてきて、自分で歌いつつも歌声に聞き惚れてしまいました。

(上記写真はクリックすると拡大します)

パーティーは盛り上がりの中、元在オマーン日本国大使の久枝譲治様より閉会のご挨拶。北山ご一家を労われ、素晴らしい会を催してくださった日本オマーンクラブに感謝を述べられ、来年のサマーパーティへの期待をお話しになり締められました。

      

 

 

 

 

液化天然ガス (LNG) についての講演会が開催されました

2025-06-30

6月25日、日本オマーンクラブの講演会がオマーン大使館で開かれました。演題は「日本のエネルギー調達とオマーンの関与」。講師は長く世界各地で液化天然ガス(LNG)の開発と投資にたずさわってこられた会員の桑原徹郎さんです。梅雨模様の天候にもかかわらず約50名の方が出席されました。ジョーンズ会長のご挨拶後、司会の柴田理事により桑原氏と彼の略歴が紹介され講演会が始まりました。

冒頭にLNGとは何かという説明がありました。LNGは化石燃料でありながら不純物処理後は大気汚染等の問題が少なく、またその主成分であるメタンは毒性もなく爆発する危険性もガソリン等と比較して少なく、零下162度で液化して体積をへらすことで運搬や保管が容易で効率的にタンカーで運搬できるという利点のある、大きな役割を持つエネルギー源です。輸入したLNGは気化して火力発電用の燃料として、また私達が日常使用している都市ガス原料として送り出されています。

LNGは1970年代にアラスカで開発が始まり、現在では世界各地で開発が進められています。オマーンもLNGの中堅産ガス国で、特に現在の世界情勢を鑑みると、ホルムズ海峡の外側に位置しているオマーンは地政学的にも安定しており、指導者の全方位外交を持ってオマーンには優位性があると思われます。LNGの供給には20年という長期契約が通常なので、契約には政治的経済的安定性が求められます。またLNGはコスト高ながら、現在のオマーンはStandard & Poor’sによる信用格付けもBB+からBBB-へと格が上がっています。ちなみに日本はA+です。

最後に世界のエネルギー消費の紹介がありました。また日本のLNGの最大の輸入先はオーストラリアでマレーシア、米国と続きロシアからも輸入せざるをえないとか。来月7月からはカナダからの輸入も開始されるそうです。一方オマーンのガス・石油は同国輸出の34.7%を占めており、オマーンLNGの株はオマーン投資庁が51%、オランダのシェルが30%を保有し、日本は三菱・三井・伊藤忠の3社合わせて6.5%で第三位とのことです。

クリーンエネルギーの太陽光発電や洋上風力発電も様々な課題があり、脱炭素や日本のエネルギー安全保障の観点からLNGは重要な役割を果たしています。

最近の緊張した中東情勢やアラスカLNGに関するトランプ発言等とも相まって、今回のご講演内容は大変興味深い内容であり、また大変勉強になりました。

  

 

質疑応答後の懇親会では、出席された三菱商事関係者の方達とオマーンクラブの会員とがマスカット駐在時の思い出話に花を咲かせる場面も見られ、参加者は大使館のご厚意によるデーツとコーヒーで親睦を深めました。

2025年度総会・オマーンツアー報告会

2025-05-06

 

4月23日春雨降る中、日本オマーンクラブの2025年度総会がオマーン大使館にて開催されました。

新村和利事務局長により進行され、初めにアルブサイディ大使よりご挨拶をいただきました。大阪万博が始まった直後で大変忙しい2カ月を過ごされていたとのことでしたが、そんなお疲れも見せずに朗らかでウィットに富んだご挨拶、そしていつでも日本オマーンクラブの皆様を歓迎しますと温かなお言葉もいただきました。続いてジョーンズ享子会長の開会のご挨拶、2010年から始まった当クラブが2025年度はついに会員数が200名を超えたとの嬉しいご報告もありました。

               

議案に入り、2024年度活動報告、2025年度活動計画、2024年度収支決算報告、そして2025年度予算案と滞りなく進行、議決されました。2025年度は会則に基づき役員・理事は昨年度に引き続き留任となるため、前年度より引き続き任期を務める役員・理事が紹介されました。また当クラブの活動が会員によるボランティア活動にて成り立っているという説明の後、活動に関わった会員の紹介もありました。和やかな空気の中、総会は無事に終了しました。

続いて、今回は恒例の講演会に代え、2025年2月に実施された、日本オマーンクラブ創立15周年記念オマーンツアーの報告会が開かれました。事前にメールでツアーに参加された郡司みさお理事の報告書(こちらも共有され、柴田芳彰理事により録画された映像や写真を交えてお話されました。当クラブならではの人とのつながりや訪問先での様子が紹介され、一般のツアーでは体験できないオマーンの人たちと交流の様子が伝わってきました。地図で移動した行程も説明され、一緒に旅をした気分を味わう事ができました。説明後の会員からの質問コーナーでは、ツアー中の出来事に加え写真に写っているお料理の説明などもあり、参加された方々の臨場感に満ちたお話のおかげでより楽しくツアーの内容を聴くことができました。全体を通して、オマーンの国の豊かさと同時に人の温かさ、日本人とも共通する国民性などが伝わってきて、改めてオマーンの様々な魅力を感じられる時間となりました。 

終了後の懇親会では、オマニコーヒーやデーツ、オマーンのお菓子をいただきながら、皆口々にオマーンの魅力についてやオマーンを訪れたい、というお話をされていました。

(小画像はクリックすると拡大します。)

今年度2回目の「イフタールの会」が行われました

2025-03-31

日本オマーンクラブでは毎年ラマダン月に首都圏と関西地区で「イフタールの会」を催しています。2024年度はラマダン月が2回あり、今回は2度目の「イフタールの会」の様子です。

 

首都圏 イフタールの会  (2025年3月10日)

3月1日からラマダーンが始まり、日本オマーンクラブは3月10日(日)に東京・渋谷のアラビアレストラン「ゼノビア」にて「イフタールの会」を開催しました。オマーン人留学生5名とクラブ会員3名が集い、歓談しながら食事を楽しみました。

参加者は寄付していただいたオマーン産のデーツを味わいながら交流していると、まず前菜のフムス、ムタッバル、ババ・ガンヌーシュ、フール、ムハンマラが運ばれてきました。フールはそら豆のペースト、ムハンマラはクルミとパプリカを使ったペーストで、これらはアラブ料理を食べたことのある日本人参加者にとっても新しい味わいでした。続いて、ひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」、ひき肉を揚げた「クッベ」、サラダやナス料理が提供され、さらに、酸味のある乳白色のソースに水餃子のようなものが入った料理「シシバラク」が登場しました。これはシリアの家庭料理で、シルクロードを経て中国の餃子が変化したものだそうです。食事の締めくくりには、にんにくソース付きのシシカバブとデザートのカダイフを堪能しました。

                    

食事中、日本人参加者はオマーンの文化に興味津々で、中にはオマーンの伝統的な服を着てめかしこんだ者もいました。オマーン人学生が「それはスール(オマーンの地名)らしいデザインだね」と指摘すると日本人学生が嬉しそうに頷く場面もありました。また、オマーンでの就職の難しさやコネなどの人間関係の話、オマーン人が香水を好む理由など、主にオマーンの社会や文化を中心とした幅広い話をすることができました。

一方でオマーン人学生からは、「日本人が水ではなくお茶のペットボトルを買うのはなぜか?」という日本人の日常的習慣についてポイントをついた疑問などを投げかけました。これが思いもよらない深い議論につながり、留学生として日本で生活をしているからこそ気づく視点、参加者一同感心させられました。

アラブ料理らしいスパイスの香りと、レモンやヨーグルトなどの酸味がある料理で腹を満たし、およそ3時間続いたイフタールは幕を閉じました。まだ寒さの残る仲春、食事を通じた文化体験、そして参加者同士の文化交流の機会を提供する日本オマーンクラブの「イフタールの会」は、日・オ両国の友好促進にとって意義深いものと思いました。

来年もオマーン人と日本人が「ラマダン・カリーム(恵み多きラマダンを!)」と言い合えることを願っています。

 

関西イフタールの会  (2025年3月26日)

京都市中京区のレストラン「マブルー」にて、日本オマーンクラブ主催のイフタールの会(関西)が開催されました。
オマーンからの留学生2名と日本オマーンクラブ会員2名でバングラデシュ・インド料理を囲みながら、和やかな歓談となりました。
マスカット出身の若き外交官A君は、大阪で日本語研修中。ずっと関心を持っていた日本で、充実した毎日を送っているそうです。最近の印象深い思い出は、大相撲を生で観戦したことと、日本の小学生に日本語でオマーンについて紹介したこと。A君のおじいさんは遠藤晴男日本オマーンクラブ名誉会長の旧友であることから、日本・オマーン交流史のこぼれ話は尽きることがなく、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
同じくマスカット出身のD君は、大阪の私立大学の修士課程で研究を続けています。ツーリズムをはじめとするオマーンの未来の産業について、真剣なまなざしで語ってくれました。オマーンからの元留学生には、帰国して政府や学術機関で活躍している先輩もいれば、日本企業で頑張っている先輩もいます。D君は日本でまだまだ学びたいことがあるとのこと。ぜひ両国の架け橋になってください。
お二人には、日本オマーンクラブからオマーン産のデーツをお贈りしました。故郷の味に元気をもらって、日本での生活がいっそう充実したものになりますように。
今年もまた、オマーンがつなぐ人の輪を実感するような、日本オマーンクラブらしいイフタールとなりました。
« Older Entries