講演会「アラビア語の世界 – ことばの力  The World of Arabic Language – The Power of Words

2015-10-13

 

2015年10月9日、東京広尾のオマーン大使館にて、講演会「アラビア語の世界―ことばの力」が開催されました。講師として、京都ノートルダム女子大学教授で放送大学アラビア語の主任講師でもあられる鷲見朗子先生にお越しいただきました。

アラブ地域と言うと宗教紛争、テロなどが何かと話題となっている昨今ですが、アラブの言語、文学などに接する機会がほとんどない私たちにとって興味深いものがありました。

アラビア文字は基本として子音を表していること、右から左へ書かれること、話し言葉と書き言葉が大きく違うこと、特に話し言葉は各地域で大きく違い、書き言葉が共通言語のように使われていることなどの説明がありました。

さらにアラブ詩は5-6世紀にベドウィンの口承文学に始まり、伝誦者を通じて何世代も語り継がれ、人々の生活に根付いて各部族それぞれに詩人が居たこと。二つの半句からなる対句がいくつも連なる長詩で、同一の韻律と脚韻をもっており、これが独特の響きを与えているそうです。そしてアラブ人は言葉を非常に大切にしており、アラブ詩はその地域において依然として社会に大きな影響を及ぼすほどの力を持っているそうです。

アラビア語自体見たり聞いたりする機会がない多くの出席者にとって知らないことばかりで、講演後には活発な質疑応答がありました。