2018年度日本オマーンクラブ総会、講演会が開かれました。

2018-05-09

 

去る4月18日、東京広尾のオマーン大使館にて多数の会員の出席の下、2018年度の総会が開催されました。冒頭、遠藤会長が会長を退かれて名誉会長となること、新会長にはジョーンズ事務局長が、新事務局長には中江理事が就任することが報告されました。

 

引き続き挨拶されたムスラヒ大使からは本国からの命により日本での任務を完了し、オマーンへ帰国されることが発表されました。予期されていたこととは言え会員からは思わず溜息が漏れました。2010年のオマーンクラブ創立以来、長期に亘り様々な面でクラブの活動にご支援くださったムスラヒ大使には、深い感謝と今後のご活躍並びにご健康を心よりお祈り申し上げます。

 

岩城理事の司会の下、総会議事は滞りなく進められました。総会終了後、20分の休憩を挟んで、元オマーン大使で会員の森元誠二氏をお迎えし、「ノーベル物理学賞受賞者の訪問に秘められたある使命」と題された講演会が行われました。

大使は昨年末から新年にかけて、青色LEDを開発されてノーベル物理学賞を受賞された天野教授とオマーンを訪問されました。お二人は科学分野の専門家や政府高官と会談され、オマーンの物理学研究や今後の人材育成に助言されました。森元大使は天野教授の気さくな人柄にも触れ、マスカットの小学校を訪問されたときのエピソード等も紹介されました。

実はこの訪問にはもう一つ隠された使命がありました。それは日本人の血を引くブサイナ王女へ、伺い知ることのできない深窓の人となられた王女の様子を心配した叔母の大山昌子さんが、亡くなられる前に残したビデオメッセージを伝達することでした。森元大使は男性であるため、直接王女にお会いすることはできませんでしたが、メッセージは無事に届けられたそうです。そして、オマーン訪問後まもない本年1月に、王女より、彼女の好きな紫色と蝶々のデザインを施した返事のお手紙を、森元大使が受け取られたそうです。この逸話は、来る6月3日のBSフジ「ザ ノンフィクション」でドキュメンタリーで放映予定との事です。

LEDという「未来志向の光」とタイムール国王の王女ブサイナ姫という「昔の日本」という、日本とオマーンの繋がりをしみじみと感じた講演会でした。