世界の昆虫標本オマーンで展示へ

2019-05-29

 

会員の皆様へ

当クラブの事務局長で世界のアゲハチョウ研究家の中江信さんが中心となって、過去50年間に亘って収集された世界の昆虫標本(蝶・蛾、カブトムシ、セミ等)約7000頭がオマーンの王宮府に寄贈されたことは以前お知らせした通りですが、この度、マナ(Manah) に新設される国立歴史博物館(Museum Across Ages)にて常設展示される方針となりました。国立歴史博物館は2年後に開館される予定です。
中江信さんと共に、団長として遠藤晴男名誉会長、そして会員の小原みね子さん(女性昆虫専門家、世界のカブトムシ、セミ等寄贈者)の3名が4月19日より約1週間オマーンに招待され(を訪問し)、マスカットでナスル・アルキンディオマーン王宮府事務総長と打合せを行った成果です。在位50周年記念事業の一環として、マスカットのオペラハウスでの展示やサラーラ、ソハール等での移動展示も検討されることとなりました。

今回の寄贈は、中江信さんの蝶友である、久枝譲治元駐オマーン日本大使(オマーンの蝶、寄贈者)より依頼を受け、遠藤晴男名誉会長が、(現地の)オマーン政府高官と粘り強く交渉を続けた末、約2年の年月を経て、今回のオマーン王宮府との話し合いにこぎつけ、オマーン側の方針の確認ができました。又、寄贈した約7000頭のうち、破損が約20頭に留まることを確認し、修理を行い、すべて展示可能な状態となりました。今回初めて標本を見た王宮府チームは標本の質の高さに驚いていました。又、今回の訪問に合わせて浜松市の松島英勝氏が率いる“遊鶴の会”の女性グループが作成した見事な連鶴(無形文化財)も贈呈されました。

オマーンは国土の大半が砂漠である事もあり、子供達には昆虫採集という”文化“がなく、蝶やカブトムシを網で採ったことがないというのが現状です。今回の寄贈で一人でも多くのオマーンの子供達が昆虫に興味を持って欲しいと中江さんは話しています。3名は、オマーンの昆虫標本の数を増やすべく、Wadi TanufやWadi Tiwi等のオアシスでで昆虫採集もしました。砂漠の国オマーンにも約75種の蝶が小さなオアシスに棲息しています。気温が40度ありましたが、遠藤名誉会長も参加して3人で40数頭を採集し標本を作製して、王宮府へ寄贈予定です。
さらに、小原みね子さんより、蝶柄がお好きと仄聞しておりますブサイナ王女に日本の国蝶オオムラサキと、両国に棲息するキアゲハの標本を贈呈し、翌日ブサイナ王女から直筆でのサイン入りの礼状も頂きました。これも歴史に残る成果です。ご存知のとおり、ブサイナ王女の母は、カブース国王の祖父に当たるタイムール国王と結婚した日本人女性、故大山清子さんです。

昨年8月に久枝元駐オマーン日本大使が宮中にて天皇(現在の上皇)皇后両陛下に帰朝報告を奏上した際、本件にも言及し、生物学のお好きな両陛下に大層お喜びを頂いたと仄聞しています。本プロジェクトは、日本、オマーン両国の今後の文化交流の発展に繋がるものであり、当クラブとしても引き続き応援していきたいと思います。

日本オマーンクラブ事務局

(追記) 今回の訪問については、中日新聞と静岡新聞に報道されました。