断食明けの食事「イフタールの会」が開催されました。Iftar held in Kyoto and Yokohama

2019-05-31

関西イフタールの会       اللغة العربية

ヒジュラ暦の第9月の一ヶ月間、ムスリムは日の出から日の入りまで飲食を絶つ「ラマダン」を行います。 日没後の食事である「イフタール」には、家族や親戚そして友人が一同に集まり、団欒のひと時を楽しみます。

2019年、日本でのラマダンは5月6日から開始。日本人学生とオマーン人学生の交流の場として、日本オマーンクラブは特にオマーン人留学生が多く集まる関東と関西の二地区でイフタールの会を実施しました。

5月17日金曜日の夕方、関西では京都は京都大学近くのインド料理店「RAJU 百万遍店」にオマーン人留学生7名、日本人学生5名、そして関西在住のクラブ会員4名を含めた総勢18名が集まりました。19時過ぎの断食明けにはお互い「アッサラームアライクム!」や「ラマダンカリーム!」 と笑顔で挨拶を交わし、イフタールの幕開けを共に祝いました。

お皿にたっぷりと盛られたデーツ、スイカやパイナップルなどのフルーツ、羊肉の煮込み やビリヤニ、そしてナンといった多くの食事が並ぶ中、会は鷲見朗子先生の流暢なアラビア語の挨拶で始まりました。会員の江村彩子さんは自身のオマーン滞在経験を綴った著書を紹介され、同じく会員の石川玲於奈さんはアラビア語と日本語によるユーモア溢れる話で場を大きく盛り上げました。

オマーンと日本の文化の共通点、数百種類あるデーツの見分け方、アラビア語と日本語を習得することの難しさ・・・ 日本語、英語、そしてアラビア語が飛び交う、ぎゅっと濃縮された国際交流の時間はあっ という間に過ぎ、お互いに再会を約束して21時半に散会を迎えました。 中には東京でのイフタール振りに再会したメンバーもおり、再会と新しい出会いに満ちたひと時となりました。

関東イフタールの会

5月18日(土)、横浜市内のアラビア料理レストランAlAinにて、関東地区の学生たちを中心としたイフタールの会が行われました。

6時ごろから徐々に参加者が会場に集まりはじめました。 6名の留学生と日本人学生5名、クラブ会員4名の計15名です。宇都宮から三時間かけて駆けつけてくれた留学生が2名いました。日本人学生は日本中東学生会議メンバーと、会員で神奈川大学大川真由子准教授のイスラーム文化研究のゼミ生たちです。日本人学生は、断食の苦労とイフタールの喜びをムスリムと分かち合いたいと、朝から何も食べずに、あるいは昼食を抜いて会に臨んでいました。

日没まではそれぞれが自己紹介をしながら遠藤名誉会長がオマーンから買ってきたお菓子が配られるなか、歓談しました。日没と共に食事開始、滋養に富んだデーツと日の出から断食していた胃にやさしいスープから始まります。次いで、チーズやオリーブの入ったサラダとひよこ豆のペースト、そら豆とひよこ豆のファラフェルやシシカバブなど、様々なアラビア料理が続きました。

日本に来てまだ1か月半の留学生やオマーン人と話すのが初めての日本人学生もいましたが、食事をともにしているうちに打ち解けていき、おしゃべりを楽しみながら次々と料理を平らげます。イフタールはラマダン中の特別な食事ということから、何から食べ始めるか、どんな料理があるかなどに関心が集まりました。

中東の国々のことやメッカへの巡礼の話、日本人になじみのある『シンドバッドの冒険』や『アラジン』などの映画、普段見ている日本のドラマの話などが話題にあがっていました。人気映画『ボヘミアン・ラプソディー』の主人公が、旧オマーン領のザンジバル出身であることが、彼の人生に大きな影響を与えたことを今回初めて知った学生も多かったようです。

来日間もない中、日本語で行う授業に必死についていこうとしている留学生に日本人学生は逞しさを感じたとのこと。一方、宇都宮名物の餃子が好きなど、日本に徐々に溶け込んでいる様子も会話の中で垣間見られました。オマーン人留学生からは、「おいしいアラビア料理とフレンドリーな仲間との会話を楽しめた」「オマーンでのラマダンを彷彿させるいい集まりだった」「日本人とアラビア料理を食べたり、話したりする貴重な機会だった」「思い出に残る特別な時間として大切なムスリム文化を日本人と共有できた」(原文はここをクリック19_Iftar_comments)など、楽しい交流のひと時が感じられるコメントが寄せられました。

アラビア語、日本語、英語が飛び交っていたイフタールでしたが、オマーン人学生が日本人学生に単語を教えるシーンもありました。また、別れ際に呼び止めあって連絡先を交換し合う姿が見られ、学生たちの心に残るものになったようです。

今回のイフタールに参加してくれた留学生と日本人学生たち、大川先生、クラブとしてこの機会を与えてくださった方々に深く感謝します。(小サイズの画像はクリックすると拡大します。)