アハジージュ号の子馬「豊歓号」訪問

2016-11-09

 

2016年10月26日、素晴らしい秋晴れの中、日本オマーンクラブのメンバー約30名が宮内庁厩舎訪問のため、皇居大手門前に集合しました。

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宮内庁厩舎には、皇太子・同妃両殿下ご成婚に当たって、オマーン・スルタン国王から贈呈された「アハジージュ号」の子馬「豊歓号」がいます。この度 その「豊歓号」を見る機会を特別に得られました。

皇室における馬との関わりは深く、宮中に伝わる文化の一つとして、古くは奈良・平安時代に遡る古代馬術「打毬(だきゅう)・母衣引(ほろひき)」が現在でも受け継がれています。その他ご結婚の行事、ご即位における馬車列や皇居宮殿で行われる新任の外国大使による天皇陛下への信任状捧呈式の際の送迎にも希望により儀装馬車が用いられ、国際親善の実を上げています。こうした歴史認識のもと、大手門集合後、心躍りながら厩舎に向かいます

途中には、とても大きな銀杏の木があり、聞くところによれば皇居内で一番大きな銀杏の木とのこと。大都会の真ん中にありながらその大きく立派な銀杏の木に感動です。

宮内庁病院を通りすぎしばらくすると、馬に乗った皇宮警察官と遭遇。かつての近衛騎兵を思い起こさせる情緒ある風景でした。 草の香りが徐々に近づくにつれ、厩舎への道のりがあとわずかだなと思ったところで、栗毛や芦毛の馬が見えてきました。 その手前には天皇皇后両陛下のご結婚やご即位、またムスラヒ大使の送迎にも使われた儀装馬車・鞍等が保管されている場所があり見学させていただきました。馬車の本体は総漆、菊の御紋や馬車の飾りはすべて金箔という、それは見事なものでした。ドアを開けて内部も見せていただきましたが、細部に至るまで実にエレガントな造りでした。

さていよいよ厩舎訪問です。何とたくさんの人参を用意してくださり、会員は各自ニンジンを手に厩舎に向かいます。 厩舎では、足も太く体もとても立派な馬車引き専門の馬が手前におり、窓枠から人参欲しさににゅうっと顔を出していて、その愛らしさがたまりません。奥の方にはいわゆるサラブレッドたちがいて、そこに目指す「豊歓号」がいます。
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各馬には二文字の漢字名がつけられています。馬の名前の上の漢字は、誕生年の歌会始のテーマだそうです。また、御料馬名前の命名は「陛下の御製の中から一字取る」が慣例となっており、豊歓が生まれた年は御題が「姿」、御歌の内容は「うち続く 田は豊かなる 緑にて 実る稲穂の 姿うれしき」の中の「豊」を取ったものだそうです。

どの馬も大変人懐っこく、愛されて可愛がられているのが非常にわかります。そしていよいよ「豊歓号」との対面です。 会員の方々から、「とよちゃーん」と言われると、柔らかい鼻先をムヒムヒっと動かして愛嬌をふりまき、ご挨拶をしてくれました。

その後スタッフに連れられて外に出てきた豊歓号は、かなりの時間多数の会員との写真撮影にもおとなしく応じてくれました。御料牧場にいる母親のアハジージュ号とよく似ており、とても美しく上品で素晴らしい馬でした。

 
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楽しい時間はあっという間に過ぎ去りました。現地解散後も、お茶に行かれる方、東御苑の見学に行かれる方と、楽しい貴重な体験はそれぞれの場でまた花開いていたことでしょう。